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「国語の授業」261号

2017年秋号発行

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文学・説明文の授業

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説明文や物語の世界を楽しむ一読総合法

全体がわからなくても部分は読める

2011.1.11 山岡 寛樹 

  一読総合法Q&AD
 書きこみと発言の関係
〜『空気の重さを計るには』5年の実践例〜
児童言語研究会副委員長山岡寛樹 2011.1.30
┌────────────────────────┐
│Q 書きこみと発言はどうなっているのですか? │
└────────────────────────┘
 五年生と『空気の重さを計るには』(板倉聖宣)の授業をした時の発言と子どもたちのひとり読みの時のメモを示します。( )内が子どもたちのメモです。

浜 えっと、「もう一度やり直しです」という所で、もうここまで来たんだから成功するまでやりたいと思う。(粘り強く諦めない)
T もうここまで来たんだからね。
川 浜君と同じ場所で、二回失敗したんだけど、まだやるぞ! 諦めずにやる。(板倉さんは諦めていない)
菊 川君と浜君と同じ所で、浜君が「ここまで来たんだから」と、言ったんだけど、二回も失敗して、二回も失敗 しちゃったから、絶対に成功させなければと思ったの。(ガラスのフラスコは割れる。実験は成功した。たった一工夫で実験の結果は変わる)
T 成功させたいと。関連している人いないんですか。
津 浜君と川君に関係してて、結構熱心。(熱心なんだ)
伊 私も津さんと関係してて、板倉さんはまだ諦めていないから、結構根性がある。
T どうしたの? 板倉さんは。何を使ったの?
伊 板倉さんは、あぁ、もっと丈夫な入れ物。
T で、それは何?
伊 丸底フラスコ
岡 最初は丸底フラスコと説明しただけで、後はみんなフラスコになっている。(これならきっと割れないだろう)
T 君が言った通りフラスコになっているんだけど、フラスコに種類があるんだけど知っている?  ※丸底フラスコと三角フラスコについて考えさせた。
岡 川さんと似ていて、板倉さんはめげない。(何度失敗してもめげずに頑張った板倉さんは凄い) 宮 筆者は、ここまでやったことにびっくりした。
T 君は、ここまでやっていることにびっくりしたのね。宮さんは。じゃ、次ぎに行きます。(※「は」の使い方が気になったので、確認をした。宮の書き出しには「筆者は諦めてはいなかったことにびっくりした。すごく、板倉さんは粘り強い!(がんこ)」とあった)
津 「もっと丈夫な入れ物ーガラスの丸底フラスコを使うことにしましょう」という所で、丈夫でも、なんか割れそう。丈夫でも、なんか割れてしまいそう)
T でも、割れたの、割れなかったの、どっち?
津 割れなかった。
川 津君と同じ所で。昔の人はこういう考えができない。(書き出しのまま)
T 昔の人は、何を使ったの?
川 昔の人は革袋を使った。
浜 今度は、天秤の一方の皿に固く栓をしたフラスコを載せましたという所で、固くないと、空気が漏れてしまって失敗してしまう。(固くないと空気が漏れて失敗してしまう)
津 空気が漏れると、無くなる。空気が抜けないようにする。浜君と一緒のこと。(空気が抜けないようにしっかりと)
増54 エーと、固く栓をしたというのは、筆者が、今度こそ実験を成功させる為。(とれないようにする。今度こそ実験を成功させたいから)
岡 戻しても良いですか?(T良いよ、戻したって)二個あるんですけど、一個は、なんか前、一回目の実験は、空気の重さでつり合っちゃったから、今度は真空ポンプで真空にさせて、でも、二回目は、膨らんで破裂しちゃったから、堅いフラスコにするとかなんか筆者は失敗を教訓にしてやっている。(これならきっと割れないだろう。筆者が『固く』栓をしたのは、今日の棒瓶のように吹っ飛ばないようにする為)
T で、これは、どういう条件でやるのかというと、真空ということね。(板書)この条件で、今度は堅いじゃな くて、フラスコのことを何と言った?
岡 丈夫(丈夫と板書)

 このように書き込みや書き出しによるメモは、子どもたちの発言を助けるとともに、それを単純に再生させている訳でもないのです。子どもたちは書き込みをする過程で文章と真剣に向きあって、自分の考え方を作ります。そして話合いの中で、友だちの発言を契機に新たに思考し、その結果を発表するようになります。話し合いの授業は、読みの共同作業過程として子どもたちに位置付きます。共同の読みを通して、新たな認識の段階へと登っていくのです。その前提は自分の読みの過程をメモすることにあります。

  一読総合法Q&AC
 小学一年生で体験や知識を出し合い読み深める
〜『はなのあなのはなし』やぎゆうげんいちろう〜
児童言語研究会副委員長山岡寛樹 2011.1.10
┌────────────────────────┐
│Q 低学年でも関係づけの話し合いができるのですか   │
└────────────────────────┘
 文と文の関係づけは難しいのであまり無理はできませんが、体験や知識と関係付けることはしっかりとできます。低学年の子ども用の楽しい説明文のシリーズに福音館の「かがくのとも傑作集」があります。その中の『はなのあなのはなし』は、一年生の子どもが楽しく自分たちの体について考えながら読み進めることのできる説明文です。私は七時間で扱いました。@鼻の穴の大きさや形は多様A動物の鼻は生活場所や生活条件に都合良くできているB空気を吸ったり吐いたりするのが鼻の一番の役割Cごみを入らなくする為に鼻毛や鼻くそがあるDいろいろな時に出る鼻血E鼻の中の仕組みF体にある穴はみな大切という展開で絵本の絵を部分的に写して授業をしました。  「ほとんどのどうぶつには、はなのあなが二つある。はなのあなが一つのもいる。いるかのはなのあなは、あたまの上に一つある。あざらしのはなのあなは ぽかっとあけたり、ぴっととじたりできる。だから、水にもぐっても、はなのあなに水が入らない。かばのはなのあなも おなじようにぱかっとあけたり、ぺたっととじたりできる。べんりなはなのあなだ。ぼくたちのはなのあなも、すこしふくらんだりちぢんだりする」これが一時間分です。(ぞう・うま・らくだ・かめ・いぬ・いのししの頭部の絵の他にいるか・あざらし・かばのカットを入れた)
授業記録(二時間目)
T 何が出てきたの?
C アザラシとカバ
T アザラシとカバはどういった特徴かあるというわけ?
佐 鼻の穴が閉じたり、開いたりする。
徳 「かばのはなのあなも おなじように」のところに苦しくないのかな。鼻の穴が閉じちゃって、苦しくないの かな。
住 鼻の穴に空気を入れる袋みたいのがあるんじゃない。鼻の所に、くわって地上で息を吸った時に、空気を入れ る袋みたいのがあるんじゃない。潜る時にその袋から吸っているんじゃないの。(徳の心配に答えている)
大 カバのここら辺(背中の辺)に、空気がたくさん詰まっている袋がある。(住の論に乗りながら発言)
住 口のところが大きいから、そこに空気が溜まる。
松 「ぱかっとあけたり、ぺたっととじたりできる」の所に、良いなと書きました。水が入んないし、むせちゃわないから。(T むせないって?)咳みたいの。プールの時に水が入ってね、咳とか出たの。(経験と関係付け)
玉 なったことある。洗面器で顔をばしゃっと洗った時に、水がね、鼻に入っちゃってね、咳いっぱいしたの。
相 学校でプールで、泳げなくて、潜った時に、むせちゃった。苦しかった。
美 プールでね、まだ泳げない時、先生が「真ん中まで行って、戻ってきな」とやった時、その時、戻っていく時、みんなが押してね、鼻に水が入って咳がいっぱい出た。(他人の経験を自分の体験と関係付けが相次いだ)
T それから比べると、鼻が閉じたり開いたりしてくれたら便利だよね。じゃあ、別の所て。
※話し合いはイルカの鼻の穴の位置の方に移って行きました。塚の「『いるかのはなのあなは、あたまの上に一つある』という所に、人間の鼻の穴は下にあるよ」の発言が引き金でした。「海は広いから、上にないと息ができなくなって死んじゃうから」(沢)「泳いでいる時に、息が吸えなくなって死んじゃうから、上に穴がある」(玉)などの意見が続く中で、「どうしてイルカは鼻の穴が一つしかないのかな?」(井)という疑問が出ると、「二つの穴から、通る所があると思う。深い所に入って水が入っても、その小さい所に袋がついているから、開いたままでも多分大丈夫。イルカって多分深い所を泳ぐから、そういう袋が付いたんじゃないかな」(住)が言うと、「深い所に行く時に閉じていた方がいい」(平)「閉じたり開いたりするのは、例えば人間が舟に乗って来るでしょう。その時、イルカは怖くて匂いをかいで、人間が来たって分かって、逃げるの。開いていたら、鼻に水が入っちゃう。そしたら、水の中で咳して死んじゃう」(玉)と意見が続きました。関係づけが話の流れを左右するので注意が必要です。教師の方で、イルカの鼻の穴が閉じていることに目を向けさせた後、「鼻の場所である。イルカの鼻の穴が上についているのは、泳ぐ時邪魔じゃないから。泳ぐ時、こっちに行ったら、もしもちょっとぐらいぴゅーって閉じてても開いちゃうかもしれないし。だから、万一危なくないように前じゃなくて、上にある」(住)という意見が出されました。
 一年生の子は、友だちに触発されながら、関係づけて考え、想像力を駆使しながら真実の道へと近づいていきます。
B まず、知っていることを出させて発表し合おう・話し合おうo


┌────────────────────────┐
│Q 一読総合法では、話し合いをどうするのですか?   │
└────────────────────────┘
 子どもたちはもともと知りたがり屋です。知的好奇心に満ちています。書かれていることを読みとるだけの「受け取り読み」でない説明文の授業を心がけると、話し合いが楽しくなります。まずは、自由に話させましょう。
 説明文の授業はともすると、要旨の読み取りに集中しがちです。学級内での自由な話し合いの中で、書かれている対象についていろいろな角度から話し合いをし、その対象について考えていくことを重視した授業を展開していきたいものです。そうすることで、楽しい説明文の読みの授業が作られていきます。要旨の読み取りや正解探しに集中する読みから子どもたちを開放するのです。  説明文の入門期教材の例です。「じどうしゃとじてんしゃは、どんなところがにてますか。どちらものりものです。どちらにもくるまがついています」という短い文章です。

『にているところ』(一年上巻)の授業記録
T 三十二頁を開けてください。では、読んでください。 C 「じどうしゃとじてんしゃは、どんなところがにてますか」と、読む。(読んだ所をノートに写す)
T 「何がにています」とか「こういう所が似ていますというという文でこれに対する答えを書きましょう。
(児童は作業を始める)
T 話し合いに入ります。もう一度ここを読んでください。(児童は問いの部分を読む)自分で自動車と自転車の似 ている所の見つかった人は手を挙げて言ってください。
藤 タイヤが似ている。
T 「タイヤが似ている」という言い方は、ちょっとおかしいな。タイヤがー児童「あるとこ」ーな、タイヤがあ る所が似ている。(板書)
伊 ライト
T ライトなんですか?ー伊「ライトが、似ている」ー伊君のにちゃんと付け加えられる人?
宇 ライトがある所が、似ています。
木 走る時が、似ています。
T 「走る時が、似ています」走ることだね。走ることが、似ています。
内 どちらにも、鍵があります。(児童ー良いです)
野 座る所が、似ています。(児童ー良いです。「座る所があります」だよ)
T どちらにも、座る所があります。で、良いよね。どっちの方が、座る所が大きいかな?
C 車。
T そうだね。自転車には、寄り掛かる所が無いもんね。
後 乗り物
C どちらも、乗り物。
依 物を運ぶ所がある。
藤 どちらにもハンドルがあります。
T もうないかな? ずいぶんたくさん出ましたね。八個 もあるものね。では、教科書には、何が書いてあるかな。 読んでみましょう。(児童が、「どちらものりものです。どちらにもくるまがついています」と読む)
T 教科書には、幾つ書いてあった?
C 二つ。
T 君たちは、八個も見付けたのに、二つしか書いてないね。どうしてかな? そんなに見付けられないと思った のかな?
C ぼくたちを馬鹿にしていたんだ。
T 本当にそうかな? 君たちが発表してくれたものをも う一度見てみよう。纏められる所は無いかな?

 一年生の子に、挿絵を使いながら、似ている所をたくさん話させることで自動車と自転車の似ている所を具体的に出させました。低学年の子にとって大切な「具体的に考えることができる」ことを狙っています。主述の整った文で話せるように「文ちゃん人形」の比喩で文指導をしました。自由に発言させながら、文指導もしていきます。
 話し合い指導の初歩は、子どもたちが文章から考えたこと、挿絵などから考えたこと、読みの過程で触発された過去の経験や知識を引き出し、話し合うことにあります。初めは書き込みんだことを言うことからスタートしていきます。書くことで自信が持てます。徐々に友達の発言に触発されて、いろいろなことを思い出し始めます。それが発言となっていきます。発言することでみんなに認められたという経験が大切です。
 慣れてきたら、教材文の重要語句「乗り物について」「車について」という項目で、話し合います。具体化をしながら、一つのことに集中した話し合いが可能になります。
★この実践は、30年ほど前の実践です。批判読みを意識した実践です。初出の説明文からこうした読み方を私はしてきました。まとめの部分のテープがなく中途半端な記録になっています。今から思うと、結構難しい文作りになっていたと思います。

A 一読総合法による文学の読みのおもしろさ


┌────────────────────────┐
│Q 全体がわからなくて部分が読めるのですか?   │
└────────────────────────┘
 小さんの書き込みを元にしながら『くじらぐも』(光村図書一年下)の世界を見てみましょう。見開き二ページを一時間で扱う立ち止まりとしました。(読みやすく漢字を使っておきました)
@「すごい大きなクジラ」「子どもたちは、雲にクジラがいるとは知らない」「やってみたいと思ってやった」「雲のクジラは一年二組の子たちのまねをしている」「楽しそうだからまねをした」「ずーっとまねをしている」
A「先生の号令で見つかった。『大きいね』と先生は言った」「好きで、いっぱいいたから、楽しそうだから、一緒にまねをした」「マネをするのが好き」「見つかってよかったと思った。良かった見つかってと思った」
B「もっと高くなったら、どのくらいなんだろうと、みんなは思った」「くじらぐもは、乗せて上げたくて応援した」「もっと跳べて、みんなはうれしかった」「大きな声で言った」「風のお蔭で乗れた」「乗ったとき、みんなはすごいと思った」「手をつないで、跳んだ」「みんなびっくりした」「くじらぐもは、みんなが乗った時、ものすごく嬉しかった」
C「みんなは、夢のようだった」「家も小さく見えるねと、女の子が言った」「ふわふわで気持ちよかった」「先生も嬉しかった」「みんなは、ぐじらぐもに乗れて、すごく良かった思っている」「みんな、すごくびっくりしていた」「くじらぐもは、とっても優しい」「くじらぐもは、学校にきて良かったと思っている」「くじらぐもは、幸せだった」
D「ずっとくじらぐもの上にいた」「みんなはちょっとだけ、もうちょっといたかった」「みんなは、また会えるかなと思った」「『また来てね』と言った」「『元気でね』とみんなは言った」「みんなは寂しかった」「くじらぐもも、寂しかった」
 これが、小さんの全書き込みです。『くじらぐも』という作品がどんな作品であるかがわかります。作品の中に入り、人物の気持ちを想像したり、人物の行為の意味を解釈したりしながら、読み手である自分を確立していく姿が垣間見えます。全体が見えないから、作品世界が子どもの中にできていないということではないのです。
 小さんのひとり読みの中には、先への予想は書かれていません。この学級での話し合いの時には、@立ち止まりの時に、小さんのように「一年二組の子どもたちは、くじらぐもに気づいていなかった」という意見と「みんな知っていた」という意見が対立しました。ですから、小さんはAの立ち止まりで「先生の号令で見つかった。『大きいね』と先生は言った」と書き、「見つかって良かった」というくじらぐもの気持ちを想像しています。
 読み進める過程で子どもたちは個々に、自分の作品世界を形成していきます。一読総合法では、最後の立ち止まりで、全体像が見えるわけです。そこに至る過程で、作品構造が一年生なりに見えてきます。くじらぐもの位置は、子どもたちと同じところにあります。子どもたち走らなくても、読み手である子どもたちには、一緒に運動を始めたくじらぐもが見えているのです。そうした作品の読みの構造や作品の表現の仕組みにだんだんと敏感になっていくことが大切なのです。最後は明るいはずなのに「さみしい」という言葉で考える子が多かったのは、楽しい時間を共に過ごした子どもたちとくじらぐもが分かれたから寂しいのです。小さんは最後の立ち止まりで、作品全体を振り返っています。
『くじらぐも5』「腕時計を見なかったら、気づかなかった。みんなは、ちょっとだけ寂しかったけど泣かなかった。学校の屋根が見えると、みんなは『学校。屋根だ』と言った。みんなは、先生に言った。『楽しかったね』と、言った。くじらぐもも楽しかった。ジャングルジムにおろした方が危なくないから、ジャングルジムにおろした。おろした後、手を振った。そしたら、くじらぐもも手を振って、『また来てね』と言って、『また来るよ』と、くじらぐもは言った。くじらぐもは、最初楽しそうで、まねをして、それで、みんなを『乗せて上げるよ』って言って、乗せてあげて、くじらぐもは学校に来て良かったと思った。みんなは、くじらぐもに乗って良かったと思っている。みんなは、くじらぐもと会えて、すごく楽しかった。先生は嬉しそうだった。先生もみんなと同じくらい嬉しかった。みんなは思い出になった」(小)
 子どもたちが、物語の中の小学生に同化したり、その気持ちを想像したりできたのは、立ち止まりながら考えを出し合う「一読総合法」の授業の良さが発揮されたからだと考えます。全体に至るまでが、楽しい読みの過程です。


一読総合法と説明文の読みの力

体験や知識と比べながら読む

2010.7.1 山岡 寛樹 

@説明文の一読総合法はどうするのか?

 子どもたちはもともと知りたがり屋です。知的好奇心に満ち満ちています。そこに手助けをしながら、子どもと一緒に文章を読んでいくのです。教育出版二年上に『すみれとあり』という説明文があります。この題からスミレのことやアリのことが子どもたちからたくさん出てきます。スミレの方に重点があって、スミレの何かにアリが関係しているのだろうという推測ができます。
 説明文の場合には題名からいろいろなことが分かることが多いのです。何についての説明文かが題から分かることが多いのです。子どもたちの知っていることや知りたいことを出させることで、文章と経験や知識とを結びつけて読んでいけば良いのだと分かります。対象認識の側面です。
 説明文が対象としている題材について十分に題材研究しておくと、安心して授業に臨めます。子どもの何気ない発言に光ったものを感じ取ることができます。読み進める中で、写真や絵や図と照合しながら文章を讀み進めるように指示します。初めから多くを求めない方が良いでしょう。
 「題名読み」をしっかりとやることから、説明文の授業がスタートします。その次は、筆者の課題提示の文をしっかりと読みます。「春のみちばたに、すみれの花がさいています。よく見ると、すみれは、コンクリートのわれめや、高い石がきのすき間にもさいています」ここまでが課題にいたるまでの事実の記述です。コンクリートの割れ目や高い石垣の隙間にスミレが咲いていることを問題にしています。こうした課題に乗りながら、経験を十分に話し合わせます。筆者の提示する課題の文を読まなくても子ども自身が課題として考え、その理由のいくつかを言い始めます。ここが大切なのです。「どうして、こんなばしょにさいているのでしょう」という筆者の課題を我が物として読み進める読みの構えができてきます。
 想像力の豊かな子は、コンクリートの割れ目や高い石垣の上(こんな場所)にスミレが咲いている理由について「アリがスミレの種を運んだんだ」と考えます。その理由は分かりません。そこを知りたいという思いが次の部分の読みを支えます。筆者は、スミレの花が咲き、実をつけ、実の中から種が飛び出すことを説明していきます。そして「ありが、地めんにおちているすみれのたねを見つけました」と待望のアリを登場させます。種は、アリの巣に運ばれます。しばらくすると、巣の外に種は捨てられます。種がアリに食べられてしまっては、スミレの種は芽を出しません。「たねをよく見ると、もともとついていてた白いかたまりだけがなくなっています」「すみれは、ありのすきなかたまりをたねにつけて、いろいろなばしょにはこんでもらうのです」と説明して、高い石垣の上などにもスミレの花が広がっていることが解明されます。アリの巣の近くに、スミレは広がっていくのです。こうしたことが分かることが文章理解の側面です。
 説明文の読みの過程には次の二つの側面があります。
A文章理解
 ○語や文・文章にかかわること
  ・何について、どの側面を説明しているのかの理解
  ・話題や課題と説明や例示などの区別
  ・文章構成のパターン認識(頭括・尾括・複合)
  ・表現(断定・推定・予想・反語など)
  ・書きぶりの特徴(課題解決・説明展開・消去法・結論→例示・例→結論など)
  ・要旨や要約・要点
 ○用語の理解度についての配慮
B対象理解
 ○論の進み方
  ・論展開を全体を見通しながらまとめる
  ・説明や結論と書き手の意見などの区別
 ○書かれている対象と自分の知識の突き合わせ
  ・絵や写真と説明との関係付け
  ・自分の体験・知識と書かれていることとの関係付け
 ○データの吟味と対象の再認識
ABの両方が混ざり合っているのが読みの過程です。その読みの中で、「よくみると」「すきまにも」「中には」「白いかたまりだけが」「ちかくの地めんにしか」「地めんの上だけでなく、〜石がきにも」といった強調表現や、「どうして〜でしょう」「どうやら」「ふやすために」「そのため」など論理関係を示す言葉を指導します。「そして」「しかし」「そこで」「しばらくすると」など文と文を繋ぐ論理関係や時間の経過などについても指導します。状態や動作を表す「〜ます」と「〜ようです」や結論や主張を示す「のです」の区別も学習します。文章理解と対象についての理解と相まって、文法的なことも学習します。文章理解の能力・対象理解の能力・文法的な能力などが同時に要求されます。
 受け取り読みでない考える説明文の授業を心がけることも大切になります。書き手・筆者がどのような世界観を持っているのかを吟味するのです。対象についてどの側面を切り取って、どう説明しているのかを考えながら、書かれていることに誤りがないかを吟味するのです。文章を理解するだけでは騙されます。対象についての見方や述べ方を吟味しながら、書かれている対象に対して考えることで騙されない読みが可能になります。納得できない所は納得できないとしておく読みが大切になります。
 説明文の授業はともすると、要旨の読み取りに集中しがちです。学級内での自由な話し合いの中で、書かれている対象についていろいろな角度から話し合いをし、その対象について考えていくことを重視した授業を展開していきたいものです。そうすることで、楽しい説明文の読みの授業が作られていきます。要旨の正解探しに集中する読みの授業から抜け出すことが大切です。


2010.6.11
 一読総合法では、通読をしません。初めから全力で文章に当たって行く方法をとります。文章を 読むというのは、書かれていることを理解する行為です。読み手は、文章に触発されながらいろい ろなことを考えます。読みの過程で、自分の認識を変えたり、強めたり、深めたり、広げたりして いくのです。書かれていることを具体的な例を元に分析したり、書かれていることをつなぎ合わせ て総合化したりしていくという両面を持っています。分析と総合の相互作用が読みの本質なのです。
 全体を先にするか、部分の積み重ねを全体と見るかということで見解が分かれてきます。文章を 絵画的なものと見るか? 音楽のような線状的に展開されるものとみるか?で大きく分かれてきま す。児童言語研究会は後者の立場に立っています。
 指導書で採り上げられている読みの方法は、文章の全体をまず通読し、大よそを掴んでから、 読みの課題を設定して読み深める・詳しく読むという方法です。
@通読(全体の大よそを掴む)
A精読(課題に沿って丁寧に読み進める)
B味読(文章全体を味合う)
という過程を踏むので、「三読法」と言います。
「一読総合法」は、通読をせずに、文の初めから丁寧に読んでいく読みです。学習範囲(「立ち止まり」)を決めて、分析・総合を繰り返しながら、読み進めていきます。文章は音楽のように線状的に展開していきます。どうやっても絵画のように全体をパッとみて把握することはできません。「一読総合法」の読み方は、普通の読書活動と同じです。先がどうなるか予想したり、予想が裏切られたり、登場人物と一緒になってはらはらドキドキしながら読む過程を大切にします。文学作品の読みであれば、登場人物と同じ世界を生きる準体験の読みとなります。わたしたちは、この過程を大事にしています。ですから、初めの読みを大切にした読みの指導法を採るのです。あなたも、子どもたちと一緒にはらはらドキドキする読みを体験してみませんか。
 では、どのように授業を進めるのれば良いのでしょうか? 私たちは、いろいろなことに興味をもち、疑問をもってじっくりと考えることのできる子になってほしいと考えます。読みの過程で、自問自答していく探求精神を大切にし、子どもたちを励ましていきます。自分の知識や体験と関連させて考えた子を褒めていきます。自分の意見が自由に言え、友達の発言を聞くことができる学級づくりが基本になります。同じ文章をみんなで考え合い、同じ土俵で話し合うことを大切にします。そのためには、自分の考えを持てる子を育てることが基本になります。
 子どもたちめいめいが、自分の考えを出していけるように援助しましょう。「自分の読みをしなさい」と言っても、そうした活動に慣れていない子は自分の読みに自信が持てません。何を考えたら良いのかが分からない子もいます。練習が必要です。
練習@ 帰りがけに黒板に詩を書いておきます。次の日の朝、その詩を読み合います。感想や意見 を言える子に言ってもらいます。どの意見も認めていきます。
練習A 朝の会などのちょっとした時間に絵本などの読み聞かせをします。黙って聴くことを求め ず、反応を自由に出させます。
 書かれていること、読み聞かせを聞いている時に出てきた独り言を自由に言って良いのだという学級文化を作っていきます。つい口を出てくる気持ちを・考えを大切にするのです。これを書き込みに発展させていきます。
 自分で文章を読みながら、独り言・分かったこと・思ったこと・疑問・感想意見・登場人物に言ってあげたいことやこういうことかなという解釈などを書かせていくようにします。それを「ひとり読み」と言います。それを元に、お互いに自分の思ったことや考えたことなどを出し合います。「話し合い」です。一読総合法は、「ひとり読み」と「話し合い」が車の両輪のようになって授業を進めて行きます。教師の発問で一定方向に解釈を持っていくことはしません。
 書き込みの練習としては、模造紙に教材文を書いておき、発表した子のことばを名前と一緒に書いていくのが効果的です。発言の奨励になり、何処にどういう反応をしていくと良いのかが視覚的に分かります。似たような意見もどんどん書くようにしていきます。似ていても、全く同じということはありません。微妙な違いが文学作品を読み深めることに役立ちます。模造紙が教室の周りに張られていく過程で、発言のメモが増えていきます。自分たちの努力が目に見えてきます。それが、学級文化の向上と子どもたち個々の自信につながるのです。ひとり読みをする時に、模造紙の例を見ている子がいたら、褒めましょう。教室は真似をするところです。それが真の学びです。友だちと共に成長していく学級の基本が作られていきます。

以下、山岡が考えている「国語の学力」について資料として掲載します。

1、自分の考えを綴れるための学力
 ・自分の今がどうあるのか? 考えることができる力は、未来切り拓くものである。
   論理的思考力をいかに育てるかが大切なこととなる。
 ・考える力・考えをまとめる力・考えを発表する力・考えを修正する力(統括するのは作文力)
 ・基本は母語の力(音韻・語彙・文法・文字)
 ・テストで測れる学力だけが学力ではない。
   計測可能な学力に偏重する狭い学力観は問題である
関心意欲態度(計測できない)は、しっかりとした知識の上に形成される
   知識理解を軽視してはいけない
 ・人格の完成を目指した教育基本法の学力観を大切に考えたい
   平和・民主主義を大切にする人格形成
   平和も民主主義も社会正義も実践的な価値であり、それを求める力は大切
 ・個人の意識の差、違いをお互いに認め合い高めあう意識を育てることが重要
   「合意作り・共同・協同」する力も学力といえる

2、日本語の基礎
 ・平仮名・カタカナ(漢字は最小必要限に=現在漢字教養論が華やか・漢字野放し状況)
 ・統辞法としての文法教育が軽視されたままの現状
 ・長音表記の例外の多さ(現代仮名遣いの不徹底さ=お姉さん・ええ、「ほ」が「お」
                      原則=え−「い」・お−「う」)
   ・構音・長音の指導(日本語の音韻・イントネーション)
 ・方言をどう扱うかは課題となる(母語重視だから方言重視になる)
 ・「日本語の知識と能力が子どもたちの全面発達を支え促す」という自覚
3、「ことば」についての理解
 ・人間にとって言語がとても大切
 ・思考は言語で行われる
 ・道具を使ったり作ったりする時に言語を使ってシュミレーションする力が働く
 ・意識は言語を支えとして成立する
 ・コミュニケーションの手段としての言語

4、具体的に付けたい力
 ・言葉から現実や現物を想像する力(第二信号系から第一信号系に戻す)
 ・具体物との関わりで文章理解をする力
 ・自分の体験や経験・既有の知識と関連づけて考える力
 ・いろいろな視点・角度から文章を読み進める力
 ・書かれていることを整理し理解する力
 ・書かれていることに対して自分の考えを持つ力
 ・自分の読みや考えを発表する力
 ・友だちの発言を聞き取る力
 ・友だちの発言に触発されて新たな思考を展開させる力
 ・周囲の人間と共同して考えを紡ぎ出せる力
 ・論理的な思考力・論理的に述べる力(基礎としての語彙力・知識・文法力)

5、大切にしたいこと
 ・自分の考えを作り・発表する
 ・話し合う
※学校だからこそ集団で話し合える。この話し合い・共同する経験を多くさせたい。

6、構文論を中心に文法指導
 ・文は判断である。
   論理的思考・批判的な思考力を支えるのは文法力である。
 ・文分析をする力
@ ナニガ    ドウスル
A ナニガ │  ナニヲ ドウスル
B ドンナ  ナニガ │   ドンナ ナニヲ │ ドンナニ ドウスル
ぼくの│ 兄が │  青い│  ボールを│ 強く │  投げる。

  重文
前文 後文
ナニガ ドウスル│ナニガ ドウスル
雨が│降るから│ 地面が│ぬかるむ。  順接・条件帰結の重文
前文 後文
ナニガ ドウスル│ナニガ ドウスル
雨が│降るのに、│地面が│ぬかるまない。 逆接
 単文に直す(適切な接続詞)
雨が降った。だから、地面がぬかるむ。
    雨が降った。しかし、地面がぬかるまない。

  複文
ナニガ ドンナダ
ドンナ ナニガ │
なにが ドウスル │ │
父が│ 買ってきた│ 本は、│ おもしろい。
(修飾節)
単文に直す。
本は面白い。その本は、父が買ってきた。
 ・主部(思考の対象)−述部(判断内容)
 ・四つの基本文型
   ダレ(ナニ)ガ・ドウスル(動詞文)
           ナニヲ・ドウスル(補語を必要な要素と考える)
   ダレ(ナニ)ガ・ドンナダ(形容詞文・形容動詞文)
   ダレ(ナニ)ガ・ナンダ (名詞文)
   ナニガ・アル/ナイ
 ・体言修飾(限定する=判断だ隠れる/詳しくするだけではない)
   ドンナ・ナニガ(主語の修飾)
   ドンナ・ナニヲ(補語の修飾)
・用言修飾(限定する=判断だ隠れる/詳しくするだけではない)
ドンナニ・ドウスル(動詞の修飾)
   ドンナニ・ドンナダ(形容詞の修飾)

7、論理的思考力
│ 論理的に述べる│ ・クリティカルシンキング
│ (構成力) │    批判的・論理的思考力
↑ ・分かりやすく論を組み立てる
│ 考えを作る │    述べ方・頭括(右手)か尾括(左手)か
│ (関係づける)│ ・関係づける力
↑    全体の中に組み込む
│  文法力 │ 知識と語彙が豊富でなければ創造的な思考は無理
│ 語彙力 知識 │ ・明確な判断を支える文法の力
   文は判断である
・課題意識・問題意識が大切
   疑問を持ち続ける子でないと困る

8、説明の筋道を意識して
 ※形式的な理解はあまり意味がないが、意識することは大切である。
〈一年生の説明文の教材〉
『なにがかくれているのでしょう』
     問題(聞いている文)→答え(答えの文)
 『はたらくじどう車』
     結論(教えている文)→「ですから」→理由・根拠(わけ)
   『みぶりでつたえる』
理由(わけ)・例  →「このように(な)」→結論
 ・まず・次に・それから/第一に・第二になど説明を進める言葉の使用
☆ 説明が飛んでいたり、省かれている部分に子どもたちの意見が集中するのは、色々なことを知りたいと思う心・探求心が働くからです。水の中で生活する動物の鼻の穴が閉じたり開いたりするという仕組みの不思議さを話し合いで理解したことと、それぞれの動物のことについての理解がつながらないのは、一年生としては仕方のない部分なのかもしれません。関連つけてしっかりと説明する力にはまだ完全に至っていないけれど、自分の経験を元にかなり程度の高い思考をしていることだけは授業をしていて感じました。象がかなり小さなものを鼻で摘むことを知っている子もいました。そうした知識を出し合い、考え合うことを通して、子どもたちの認識力が高まっていくのです。「地上では工夫しないで、海では工夫しているんだ」(住)という認識の仕方にそうした子どもたちの思考の高まりを感じます。

5、読みを困難にする条件
<一般論>
・対象が子どもたちの知識とかけ離れ過ぎている
・言葉が語彙として難し過ぎる(漢字の多用)
・説明の仕方か難しい
・一文が長い
・重文や複文が多い

6、話し合いで共同の読み・読み深めを
・複文や重文など文構造が複雑なので、分かったことを中心に内容理解の面での話し合いをしっか りとすることが必要になります。
・疑問を出し合ってお互いが分かりあっていく話し合いを組織する必要があります。
・知っていることをたくさん出させる中で、書いてあることと読んで分かることの区別をしっかり と話し合いとして組織する必要があります。
・挿絵と文章を関係付ける
・挿絵から考えられることを出し合う

7、自分の思いを素直に出す
 対象について「へー、そうなんだ!」「なるほどな!」「なんだかよくわからないな」「変だな?」「あのことと同じかな?」などと考えたことを発表していく場を授業の中に設定する話し合いが重要です。何でも聞いてもらえる雰囲気で、自分が読み取り文章から触発されたことを発表するようになります。それは、知っていることや具体的な事例を想起することや、筆者の論運びに対して自分の知っている例を乗せて考えることや、図鑑や他の本の記述と比較することで、現実的な可能性を帯びます。また、友だちの発言と自分の考えを関わらせたり、具体化したり応用したりして考えを進めたりすることで、明確な思考・認識が可能になるのです。読みの作業を一人のものとしないで、集団の中に位置づけ、子どもたちを結びつけていくことは、今日の子どもたちを分断しバラバラにして不安な状態を作り出している「新学力観」・「個性化」の流れの中で特に重視したいところです。話し合いという授業過程を重視したいものです。
 学級のみんなで、筆者が一般化している部分を具体化していく過程で考えたり、筆者が提示する例とは違った例について考えたりして思考を展開することが大切です。筆者の視点や考え方に完全に飲み込まれることはあまり良いことではないのです。別の例を考えたり、別の可能性を考えることで、筆者の例が際だって分かってくることもあります。
 書かれている事柄について「一応」内容が理解できること、ある対象のどの部分についてどのように書いているのかを知ること、対象への切り込み方を考えること、説明の流れを振り返りながら前→今→これからと(予想・予測)考える事が重要です。
 そうして、自分のその時の考えを学級の中に、素直に提示していくことが基本になります。自己表現する事が、個々の子どもの認識を育てていくのです。自分の考えが集団の中で吟味される過程を経ながら子どもたちは、自らの考えを確立していくのです。

8、読みの方法が分かる
 読みについて、子どもたちが自信を持つことが大切です。そうした読みの姿勢を授業の中で作っていくことが読みの授業の基本になると思っています。一読総合法の授業を通して次のようなことが子どもたちに分かり、確認されていきます。
@どの側面から文章に臨むのか(読みの窓口)が分かります
  A知っていたこと
  B新しく知ったこと
  C疑問点
D納得できたかできないか
  E具体化、一般化の部分の吟味(論理展開の検討)
  F感想や意見を記録として残していきます
  G読み取る側面の大切さではなく、読み手としての思考の軌跡が重視されること
H読みの中での感動を文章として定着することの大切さ
I読み手の考えを全面にして読むことの大切さ
Jお互いに感想やまとめを知る(教師がプリントしていくことの大切さ)
  K書くことは読んでもらうこととして確認しながらお互いに読みの方向や視点を知り合う
L共通の意見ができる場合もありますし、対立が読みを支えることもあります
  M自分の読みの位置づけができます
  N自分の考え方の確認ができます
  Oものの見方や自分の考え方が広がる実感
P友だちの読みを知る中で視野が開けます
R友達同士の励まし合い
S自分の考え方が強化されたり、修正されたりする
・お互いの成長が分かり合えます。
 以上のことは、レベルも角度も違うことです。しかし、こうしたことが、子どもたちの思考の中に複合的に多層に起こるのです。こうしたことがだんだんにそれぞれの個人の中で整理される過程で、子どもたちの認識の枠組みが組み替えられたり拡大したりしながら、思考が確実に進行する保障になっていくのです。

9、読みの授業の楽しさが増す
 読みが楽しくなるのは、読み手個人の知的な向上という面と、学級内での自分のあり方が認められるという感情的な面との二つの側面があります。文章理解は基礎として大切ですが、どう理解するかは個人によって違いがあります。完全な読み間違いでなければ、教師の方で正したり、一定の方向に強く導く必要はありません。学級として共通の課題に取り組み考えるという経験は、子どもたちにとって楽しいことです。身近な話題や意外な視点からの論展開は子どもたちにとって魅力があります。社会や自然や文化の本質が見えてくることは楽しいことなのです。知らなかったことを知り、感情を揺すぶられるのです。
これから、今までに書いたものをこの頁に張り替えていきます。